「この手を離したら取り返しのつかないことになってしまうかも…」


13年前、生後3ヶ月の長男を抱っこしながら、愛波あやさんはそんな恐ろしい考えが頭をよぎったことがありました。毎晩3時間バランスボールに乗り続けても、泣き止まない赤ちゃん。育児ノイローゼと産後うつで、自分の子供が可愛いと思えない日々。


でも今、その愛波さんは日本人初の乳幼児睡眠コンサルタントとして、悩めるママパパたちに希望の光を届けています。そんな愛波さんの人生を変えた「4日間の奇跡」をお伝えします。



あなたと同じ…壮絶な育児体験


愛波さんが長男を出産したのは13年前。アメリカでのワンオペ育児でした。


「とにかく寝てくれなかったんです。昼も夜も寝てくれないし、どうすればいいかわからなくて…」


夜になると3時間もバランスボールに乗り続ける日々。置いたら「ぎゃー」と泣かれて、また抱っこの繰り返し。最初は「この子のためならなんでも」という気持ちで頑張っていましたが、生後3ヶ月頃、自分もボロボロになった時、愛波さんは自分でも信じられないことを思ってしまいます。


「抱っこしてて、自分の子供が可愛くないって思っちゃったんです。そして『このまま手を離したら取り返しのつかないことになってしまうかも』って…」


もしかしたら、今これを読んでいるあなたも、似たような気持ちになったことがあるかもしれません。でも大丈夫です。あなたは一人じゃありません。



人生を変えた一冊の本との出会い

「これはおかしい」と感じた愛波さんは、思い切ってアメリカ人のママ友グループに参加しました。そこで衝撃的な現実を知ることになります。


「昨日の夜何してた?」という何気ない会話で、同じ月齢の赤ちゃんを持つママたちが「ヨガに行ってた」「映画を見た」と答えているのを聞いたんです。愛波さんは思わず聞き返しました。「なんでそんなことができるの?」


そのママ友が差し出してくれた一冊の本が、愛波さんの人生を変えることになります。それは小児科医が書いた、科学的根拠に基づいた睡眠の本でした。

「こんなことができるの?」と目から鱗が落ちた愛波さんは、図書館で15冊もの関連書籍や論文を読破。そして生後10ヶ月になった長男に、ついに「ねんねトレーニング」を実践したのです。



たった4日で起きた奇跡


結果は驚くべきものでした。たった4日で、長男は一人で寝られるようになったんです。

「それまで3時間かかっていた寝かしつけが、『大好き、おやすみ』って言って置くだけで寝てくれるようになったんです」

10ヶ月間続いた地獄のような日々が、4日で劇的に変わりました。愛波さんは生まれて初めて「赤ちゃんって可愛いな」「うちの子って可愛いんだ」と心から思えたそうです。


19時に寝てくれるようになったので、1時間ヨガに行っても20時にはもう自分の時間。愛波さんは資格の勉強を始めました。そして日本人で初めて乳幼児睡眠コンサルタントの資格を取得したのです。


あなたの赤ちゃんも必ず改善できます


「必ず改善できる。絶対に改善できるんです。月齢問わず、年齢問わず、悩んでいたら早く改善した方がいい」


これが、愛波さんが今悩んでいるすべてのママパパに伝えたい言葉です。

愛波さんは現在、ママたちをサポートしながら、育児の悩みに答えるコミュニティ運営や講師、おねんねに役立つグッズの開発・販売などを行っています。常に心がけているのは「寄り添うこと」。実は愛波さんの部屋には、いつも長男が生まれた時の写真が置いてあります。「本当にしんどかった」ことを忘れないためです。


「相手の立場に立って、どういう環境にママがいるのか、どういう心境なのか、今どういうことを思っているんだろうって、しっかり知った上でアドバイスしたいと思っています」



赤ちゃんがぐっすり眠るための3つのポイント


愛波さんが10年以上の経験から導き出した、赤ちゃんの睡眠に大切な3つのポイントをご紹介します。

1. 睡眠環境を整える

遮光:とにかく光を遮ることが重要です。早朝起きや昼寝の質に大きく影響します。


室温:20~22度が理想。大人が「少し寒い」と感じるくらいがベストです。夏でも25度程度に。赤ちゃんは体温調節が未熟なので、涼しすぎるくらいが安全です。


湿度:40~60%を保ちましょう。日本では除湿が必要な場合が多いです。


安全性:アメリカ小児科学会が推奨するベビーベッドで、何も物を置かない環境が最も安全です。

2. 寝る前のルーティンを作る

科学的にも証明されていますが、決まったルーティン(入眠儀式)があると赤ちゃんはよく眠れます。

例えば:


  • 同じおくるみやスリーパーを着せる
  • 同じ絵本を読む
  • 決まった順序でお世話をする

簡単なもので大丈夫です。大切なのは「毎回同じことをする」ということです。

3. 活動時間を意識する

これは日本ではまだまだ知られていない概念ですが、とても重要です。

赤ちゃんには月齢に応じた「ご機嫌に起きていられる時間」があります。例えば6ヶ月頃なら約2時間が目安です。この時間を超えると、ストレスホルモンが過剰に分泌されて興奮状態になってしまいます。


多くのママは、赤ちゃんが興奮している様子を見て「まだまだ元気だ」と思ってしまいがちです。でも実は、これは「眠いのに眠れない」状態なんです。

この興奮状態で寝かしつけを始めると:


  • 寝かしつけに時間がかかる
  • 夜泣きしやすくなる
  • 早朝起きの原因になる

活動時間内に寝かせることで、スムーズな入眠につながります。



あなたにも訪れる、希望に満ちた毎日


3時間のバランスボール地獄から4日で解放された愛波さん。今では「大好き、おやすみ」の一言で子どもたちがぐっすり眠り、20時には自分の時間を楽しんでいます。


仕事と育児の両立について聞くと、愛波さんは笑いながら答えました。


「両立しないってことです。無理ですから」


それでいいんです。その時々で優先順位を変えながら、完璧を求めずに、プラス思考で乗り切る。子どもは近くにいる大人の様子をよく見ているから、ママが前向きでいることが一番大切だと愛波さんは言います。


もしかしたら今のあなたは、13年前の愛波さんのように辛い毎日を過ごしているかもしれません。

でも大丈夫。愛波さんがそうだったように、あなたの状況も必ず改善できます。正しい知識と方法があれば、たった数日で劇的に変わることだってあるんです。


あなたにも、心から「赤ちゃんって可愛いな」と思える日が必ず来ます。ぐっすり眠る赤ちゃんを見て、穏やかな気持ちで過ごせる夜が必ず来ます。


一人で抱え込まず、専門家の力も借りながら、今の辛さから抜け出していきませんか?

愛波さんのように、地獄のような毎日から希望に満ちた子育てに変わった先輩ママたちが、あなたのことを応援しています。



●教えてくれた専門家

愛波あや先生(@aya_aiba愛波あやオフィシャルサイト

慶應義塾大学文学部教育学専攻卒業。外資系企業勤務後、結婚を機に拠点をアメリカ・ニューヨークに移し、2014年に国際認定資格を日本人で初めて取得。

現在、2人の男の子の子育てをしながら、企業やイベント講演、子どもの睡眠に悩む保育者のコンサルテーション等幅広く活動。特に、ママ・パパ向けに睡眠・子育て・教育についてなんでも質問に答え、情報を配信する『愛波子育てコミュニティ』は、同種のサービスとしては日本最大規模に成長中。

著書に、「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社)、「マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」(主婦の友社)、「忙しくても能力がどんどん引き出される 子どものためのベスト睡眠 」(KADOKAWA)がある。


本記事は、2025/08/18 掲載時点の情報となります。内容について気になることがあれば、編集部までお問合せください。



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