出産が近づくといつ陣痛がくるかソワソワしますね。
しかし、待てどくらせど陣痛が来ない!
陣痛が来ない時はもしかすると「微弱陣痛」かもしれません。
陣痛が来ない理由は赤ちゃんとママの身体が出産の準備ができていない状態だから。
双方の準備がOKなのに陣痛がこないのは陣痛が弱すぎる「微弱陣痛」の可能性があるんです。
出産には分娩ができるだけの陣痛パワーが必要です。
そのため、痛みの感覚は個人差はありますが、陣痛なく出産はできないのです。
陣痛がこない理由やこないタイプの人の特徴、予定日を超過した場合の処置など2児の母である筆者の体験談を交えて紹介します。
この記事の目次
- 陣痛がこない3つの理由
- 陣痛がこないまま放置すべきでない理由「過期産リスク」
- 陣痛がこないときに自分でできる3つの対策
- 陣痛がこないときに行われる医療処置
- 陣痛がこないまま子宮口8センチ!促進剤で出産
- 陣痛なくしてお産は始まらない!産科医と相談しながら出産しよう
陣痛がこない3つの理由
正産期(妊娠37週目~)に入ると「いつ陣痛が来るのかな」とそわそわしますよね。
しかし、出産予定日(妊娠40週0日)が近づいてきているのに陣痛がやってこない。
その理由は3つあります。
赤ちゃんの準備ができていない
赤ちゃんはあごを引き、身体を丸めて、ママの身体の横向きに頭を骨盤にはめて産まれてきます。
いわゆる「赤ちゃんがおりてきている」と言われる状態のこと。
赤ちゃんがおりてくることで、子宮も刺激され、お産への準備を始めます。
この体勢がとれていない、頭がうまく骨盤にはまらないなど、赤ちゃんの準備が整っていない状態だとと陣痛はまだこない時期です。
エコーで赤ちゃんの準備が出来ているかをチェックします。
時期や状況によっては、レントゲン撮影を行うこともあります。
子宮の準備ができていない
子宮の準備が整っていないと陣痛が起こりにくいです。
子宮の準備とはずばり「赤ちゃんが産道を抜けられるくらい子宮口がやわらかくなっている」こと。
妊娠中は赤ちゃんが出てこないようにと子宮けい管や子宮口は閉じている状態です。
閉じられた部分が少しずつやわらかくなり、開く準備ができてくる=子宮の準備が整い始めると陣痛が自然と起きてきます。
なお、産道の柔らかさは「Bishopスコア」をもとに判断します。
参考:「お産の豆知識 分娩時の内診(内診で分かること)」(亀田マタニティ・レディースクリニック)
微弱陣痛で陣痛に気づかない
赤ちゃんも少しづつ準備を始め、子宮も準備を進め、産道(子宮口)も開いているのに陣痛がこないことがあります。
これは「微弱陣痛」のひとつ。
微弱陣痛とは、通常の陣痛より弱かったり間隔が長かったりする状態のこと。
後述しますが、筆者は第1子の出産は「微弱陣痛」でした。
全く陣痛を感じていなくても赤ちゃんと子宮の準備が進んでいると、本人の感じる感じないにかかわらず「微弱陣痛」と分類されることを身をもって知りました。
なお根本産婦人科のスタッフブログによると、陣痛が始まるきっかけは十分に解明されていないもののいくつかのホルモンが関与していることがわかっている、と書かれています。
参考:「2019.10.16更新 陣痛について①」(根本産婦人科)
赤ちゃんの準備も子宮(ママ)の準備もお互いに少しずつ進めていきます。
そうすることで、妊娠維持に必要なホルモン→出産に必要なホルモンの分泌へと切り替わり、陣痛のスイッチが入るのです。
微弱陣痛を除き陣痛が来ないうちは「赤ちゃんもママもまだお産の準備が整っていない状況」なのです。
陣痛がこないまま放置すべきでない理由「過期産リスク」
『まだ準備ができてないだけか…』と気楽に構えて放置するのは要注意。
(大きいお腹を抱えて気楽に構えるママはなかなかいないと思いますが)
出産予定日前なら、陣痛がこなくとも気楽に構えていていいでしょう。
むしろ、焦ってしまうと変に力が入ってしまい、子宮が緊張でかたくなりやわらかくなりにくくなってしまうことも考えられます。
リラックスしてその時を待ちましょう。
出産予定日当日でも大丈夫。
出産予定日を数日過ぎても正産期です。
しかし出産予定日を2週間過ぎるころからは「過期産」と言って出産のリスクが高くなるため、そのまま放置しておくのはやめましょう。
過期産に起こるリスク
過期産になると母子ともに大きな影響があります。
母体へのリスク
赤ちゃんが大きく育つことによる
・難産(分娩時間が長い)
・分娩障害(途中でお産がSTOP)
・弛緩出血(産後の出血が止まらない)
赤ちゃんへのリスク
・胎盤機能不全(胎盤の機能低下による酸欠)
・胎便吸引症候群(胎便吸引による呼吸障害)
・巨大児(分娩時骨折、神経障害)
母子ともに大きなリスクがあるのです。
そのため、多くの産院では過期産になる前に医療処置を行い、出産するようにしています。
産科医や助産師としっかり相談しながらお産計画をたてましょう。
出産予定日が過ぎても焦りは禁物
とはいえ、出産予定日を過ぎても必要以上に焦ったり心配したりする必要はありません。
ママびよりが行った調査では32.1%のママが出産予定日を超過して出産しています。
参考記事はこちら
大切なのは、キチンと産科医や助産師の話を聞き、状況に応じて自身でのケア・医療処置を受けることです。
陣痛がこないときに自分でできる3つの対策
いつ生まれてきてもいいのになかなか陣痛が来ない!
そんな時に自分で実践できる陣痛を促す対策を3つご紹介します。
運動をする
子宮は筋肉で出来ています。
筋肉は使わずにじっとしているとかたくなりますよね?
筋肉は使うことで柔軟性が高くなるからです。
子宮を直接動かすことはできませんが、子宮周りの筋肉を動かすことで、血流がよくなり子宮や産道もやわらかくなり陣痛へと繋がります。
ウォーキングやストレッチ、マタニティヨガ・エクササイズなどの運動を、無理のない範囲で行いましょう。
筆者は正産期は、1日30分ほどのウィーキングを行っていました。
しかし、39週目に入ってもなかなか陣痛が起きないため さらに30分増やしました。
身体を温める
冷えは身体を硬直させ、血流が悪くなります。
身体を温めることで、血流をよくしましょう。
身体が温まりリラックスしてくると、硬直していた身体もやわらかくなっていきます。
子宮もやわらかくなって陣痛が起こりやすくなります。
39℃のお風呂に腰までつかって入浴していました!
声をかける
上記ふたつはママの身体に陣痛が来るように準備を整えるための対策。
赤ちゃんの対策は赤ちゃんしかできません。
ならば、ママから声掛けをしてみるのはいかがでしょうか。
「骨盤にはまるんだよ」
「周りながら産まれてくるから横向きにおりてきてね」
「一緒に力を合わせて頑張ろうね」
といった声掛けをすることで、ママ自身がお産のイメージをしっかりと持つことができ、お産への緊張を和らげることに繋がります。
そして、その声を聞いた赤ちゃんが「よし頑張るぞ!」とやる気になることもあるはず。
陣痛がこないときに行われる医療処置
胎児やママの身体の状況をみて、陣痛を起こすため(誘発分娩)に以下のような処置が行われることがあります。
陣痛促進剤
その名の通り、陣痛を促進させる成分(女性ホルモン)が含まれている薬のこと。
服用タイプ・点滴タイプがあります。
筆者は服用タイプと点滴タイプ両方経験しました。
服用タイプは緩やかな効き目のようで、筆者にはあまり効果を感じることができませんでした。
内診ぐりぐり(卵膜剥離)
妊婦健診の際にお産が進むように、処置される医療行為のひとつ。
胎児が包まれている卵膜を子宮から少し剥がす刺激によって、陣痛を促進させます。
バルーン・ラミナリア(子宮頚管拡張)
子宮口を広げるため、バルーンやラミナリアといった子宮頚管拡張器具を使う医療処置です。
子宮の準備が整っておらず陣痛が来ないタイプの方向き。
陣痛がこないまま子宮口8センチ!促進剤で出産
筆者は「微弱陣痛」でした。
というのも、陣痛が来ないまま子宮口が8センチまで開いたからです。
痛みも張りもありませんでした。
赤ちゃんも降りてきており、子宮も出産の準備はばっちり。
にもかかわらず、陣痛だけが来ませんでした。
そのため、出産予定日の翌日に入院し、陣痛促進剤を使用。
陣痛促進剤の使用開始からおよそ4時間半で出産しました。
★子宮口の状況★
出産予定日4日前:子宮口4センチ
出産予定日前日:子宮口5~6センチ
出産予定日:子宮口7センチ
なお、予定日の健診時に
「このまま入院して、午後から促進剤を打って出産しよう」
と産科医に言われました。
しかし。
立ち合い出産を望んでいた私。
旦那の仕事や帰省の準備(里帰り出産でした)を考えて、
「入院は明日の朝でいいですか?」
と、子宮口7センチの妊婦がおそらく言わないであろうセリフを言って、帰宅しました。
そんな判断ができるくらい、陣痛を感じなかったのです。
陣痛は促進剤を打つまでありませんでしたが、前駆陣痛はありましたよ!
陣痛を感じにくい!スポーツ感覚で出産
なお、2人目は陣痛促進剤を使用せず、出産予定日2週間前に出産しました。
この時は、陣痛と言われるような「痛み」を感じることなく、
今日はよくお腹が張るな~、程度で子宮口全開までいきました。
出産の2時間前には、なんと自宅(里帰り先の実家)でシャワーを浴びてました!
それぐらい余裕だったんです…。
出産も一瞬でした。
破水後は多少の痛みを感じるほどには「陣痛」がありましたが、会話をしながら出産できるレベルでした。
これは筆者が筆者自身の体験から考えることですが、
「痛みに強い体質の人は陣痛が来ない=陣痛を感じにくい」
のではないかということ。
痛みに強い、もしくは鈍いと自覚する人は、陣痛がわかりにくいかもしれません。
出産は健診で赤ちゃんの様子や子宮の状況をしっかりと見てもらい、状況に応じて医療処置を受けることを視野に入れておくのがベストです。
陣痛なくしてお産は始まらない!産科医と相談しながら出産しよう
帝王切開を除き、赤ちゃんは「陣痛」なくして産むことはできません。
麻酔を使って痛みを軽減する無痛分娩でも痛みの信号は麻酔で感じにくくなっていますが、身体では陣痛が起こっているのです。
陣痛は赤ちゃんの準備・ママの身体の準備が整ってはじめて起こります。
双方が整っていても、陣痛を感じないときは微弱陣痛の可能性があります。
いつ何時、陣痛がやってくるかわかりません。
そのため、正産期の健診は1週間おき、3日おき、2日おき、と毎日のように通院することも十分あり得ます。
それくらい、個人差があるということ。
過産期でなければ、焦りすぎず、産科医と相談しながら、出産の準備を進めましょう。
赤ちゃんに会える日が待ち遠しいですね。
きっと赤ちゃんもママに会える日を楽しみに準備を進めているはずですよ。