
「今日も離乳食、なに作ろう...」
スマホで離乳食レシピを検索しながら、ため息をついているママは多いのではないでしょうか。せっかく手間をかけて作っても、子どもが食べてくれない。育児書の通りに作っているのに、なんだかうまくいかない。
でも、もしも離乳食作りに全く異なる視点があるとしたら?そのちがいが新しい気づきをくれるとしたら?そんな新鮮な視点を教えてくれる人がいます。
「離乳食作りって、理科の実験をしているような感覚なんです。すりつぶしたり、裏ごししたりする作業がすごく楽しくて!」
そう話すのは、Instagramで離乳食・幼児食の情報を発信し、レシピサイトや献立本が人気の「とうかママさん(@touka_mama)」です。
料理が得意じゃなかった私が、離乳食にハマったワケ
とうかママさんは、意外にも「料理自体が得意だったり好きっていう感覚はあまりなかった」と言います。それなのに、なぜ離乳食作りにこんなにも魅力を感じているのでしょうか?
「離乳食って、小学校の図工や理科の実験をしている感覚に似ているんです。この食材とこの食材を合わせたらどうなるだろう?どうやったらもっと食べやすくなるかな?って考えながら作るのがほんとうに楽しくて。気づいたら娘が食べきれないくらいたくさん作っちゃうんです(笑)」
現在2歳半の娘さんを育てるとうかママさん。元々は旅行会社で働いていましたが、コロナ禍を機に転職。現在はWebデザイナーをしながらInstagramや離乳食コンサルなど、育児に関わるお仕事をしています。
韓国と日本、離乳食文化のちがいにびっくりした話
とうかママさんのパートナーは韓国の方。国際結婚のご家庭で娘さんを育てる中で、離乳食についても文化のちがいを体験したそうです。
「日本では『おかゆを1週間ならして、つぎに野菜、それからタンパク質』という順番が一般的ですよね。でも韓国では、おかゆを1日目にあげたらもう2日目から牛肉ペーストなんです!」
最初はとまどったものの、韓国のご両親から「そんなに神経質にならなくても大丈夫」と言われて肩の力がぬけたと言います。
「最初はすごくまじめに、1g単位で計ったりしたりしてがんばっていたんです。でも、もうすこし気楽にやってもいいのかなって思えるようになりました」
また日本でよくある「小鉢に少しずつ色とりどりに盛りつける離乳食」をつくったのを韓国のご両親がみたときは、すごく褒められたそう。韓国ではすべてまぜて一つの器であげるのが一般的だということを知り、日本のていねいな食文化にあらためて気づいたといいます。
完璧を目指さない。だからこそ楽しめる
とうかママさんが大切にしているのは、「レシピは材料を厳選して、なるべくシンプルに」ということ。
「私はレシピに材料がたくさん書かれているのを見たとたん、作るのにハードルを感じてしまっていたから。本当に必要な材料だけにして、シンプルに作れるレシピを心がけています」
たとえば、サバの味噌煮のレシピなら「切り込みを入れて、湯がいてから...」という工程も、オリジナルレシピではカット。かんたんに作れることを大切にしています。
「料理が得意じゃないからこそ、ママ目線で『これは本当に必要?』って考えられるのかもしれません」
成長とともに変わる悩み。幼児食期の「食べムラ」対策
娘さんが成長するにつれて、とうかママさんの悩みも変化してきました。
「最初は食べたり食べなかったりだったのが、1歳半をすぎたころから『これは絶対食べない』という好き嫌いがはっきりしてきたんです。とくに野菜を食べなくなって...」
そこであみ出したのが、野菜を細かくきざんで料理に「忍ばせる」作戦。
「オムライスのチキンライスにピーマンや玉ねぎをみじん切りにしてたっぷり入れたり、ハンバーグに野菜をたくさん混ぜこんだり。見た目には分からないけれど、しっかり栄養はとれるような工夫をしています」
ワ―ママの味方!献立の悩みに寄り添う
幼児食期になると、多くのママが直面するのが献立についての悩み。とくに育休明けで職場復帰したママたちが、限られた時間で家族みんなの食事をつくるのは本当に大変です。
「夜は基本的に取りわけができるメニューにしています。大人用を作ってから子ども用に味を調整したり、途中で子どもの分だけ取りだしたり。なるべく一つの料理でみんなが食べられるように工夫しています」
この時期のママたちからのInstagramでのリクエストも「野菜を食べない」という相談がいちばん多いそう。離乳食期から幼児食期への移行は、新たな試行錯誤のはじまりでもあるのです。
「でも、これも実験の延長だと思えば楽しいんです。今度はどんな野菜を、どんな風に混ぜ込もうかな?って、子どもがよろこぶ顔を思いうかべながら」
新しい視点で離乳食作りを楽しんでみませんか?
「離乳食作りがつらいと感じているママには、『もっと気楽にしていいんだよ』って伝えたいです。この組み合わせはどうかな?この食材はどんな風になるかな?って、子どもと発見を楽しんでほしい」
とうかママさんの言葉から伝わってくるのは、完璧をめざさない気楽さと、新しいことをためす楽しさ。そして、日本と韓国の文化のちがいから気づいた「そんなに神経質にならなくても大丈夫」という安心感。
毎日の離乳食作りが実験のように楽しくなったら、ママの表情も変わります。そして、ママが楽しそうに作っている姿をみて、きっと子どもも食事の時間を楽しみにしてくれるはず。
Instagramで公開されているレシピ200品に加えて、サイト限定の非公開レシピ60品も見ることができ、忙しいママの強い味方。ぜひInstagramからチェックしてみてください。
とうかママさんのプロフィール(@touka_mama)
離乳食〜2歳むけの取りわけレシピや、かんたんに作れる幼児食のアイデアを毎日発信中。4月に期間限定販売で販売した献立本が、6月13日に再販開始予定です。3週間・曜日ごとに3食+おやつの95品こだわりレシピで、毎日の料理がとても便利に。
また、とうかママさんは献立本に加えて離乳食・幼児食に特化したレシピサイトも運営。「毎日忙しいママのためにレシピ検索の手間をへらしたい」という想いで1からつくったこのサイトでは、食材を入力するだけでレシピを検索することができます。月齢別(7ヶ月〜、9ヶ月〜、1歳〜、1歳半〜など)やごはん別(麺レシピ、お肉レシピ、お魚レシピなど)、アレルギー対応(卵不使用レシピなど)といったいろいろな角度から、全260品のレシピを検索できます。
本記事は、2025/06/02 掲載時点の情報となります。内容について気になることがあれば、編集部までお問合せください。