「夜中、赤ちゃんが泣き止まなくて、もう限界…」

そんな経験、ありませんか?


昼間は支援センターや小児科も開いているけれど、夜は全部閉まってしまう。パートナーは仕事で疲れているし、誰にも頼れない。赤ちゃんと2人きりの空間で、どんどん息が詰まっていく。

そんな時、新潟県西蒲区に「深夜でも駆け込める場所」があるんです。

それが「ヨナキリウム」。ママと赤ちゃんのための夜の居場所です。


漫画『よなきごや』が現実に


ヨナキリウムは、子育て中の夜の不安やしんどさを、ひとりで抱え込まなくていい時間を大切にしている場所です。


ドリンクバーやYogiboなどママが楽に過ごせる設備が整い、子育て経験のある女性スタッフが2名常駐。赤ちゃんの抱っこや寝かしつけのお手伝いもしてくれます。


代表の滝沢さんは元水族館職員。内装は「海の中にいるような空間」がコンセプトで、水族館の大水槽を眺めているような、時間がゆっくり流れる雰囲気を大切にしています。


この場所の原点は、滝沢さんが1人目の育児中、漫画『よなきごや』に出会ったこと。夜泣きによる睡眠不足が続き、精神的に追い込まれていた時期に「こんな場所があったら、あの頃の自分は救われた」と強く感じたそうです。※事業モデルについては『よなきごや』の作者・かねもと様に直接連絡を取り、許可をいただいた上で実施しています。

利用方法(2025年12月現在)

営業日時: 毎週水曜日 22:00〜翌朝6:00
利用料金: 赤ちゃん・お子さま:無料、大人:1日500円、ドリンクバー+200円
入退店: 営業時間内であれば、途中入店・途中退店が可能


利用できるのは、ママと赤ちゃん、プレママなどの女性限定。安全面やプライバシーを考慮した形です。

利用者は日によってばらつきがあり、多いときで1日に3組ほど。

「実施場所が決して広い空間ではないため、スタッフ2〜3名でママや赤ちゃん一人ひとりにしっかりと目が届く人数を意識して運営しています」


利用者の声

「夜の外出もハードルが高いと感じていましたが、たくさん気にかけてもらえて来て良かったです」

「妊娠中から産後のワンオペ育児が不安でしたが、ヨナキリウムができることを知り、楽しみにしていました!リフレッシュできました」


夜間育児の孤独感、大人と話がしたい、家族に気遣うため夜の居場所が欲しい、といった悩みで来る方が多く、生後2ヶ月〜2歳くらいのお子さんを持つママが中心です。


運命的な出会いから、わずか9ヶ月でオープン


代表の滝沢日向子さんは、元水族館のイルカトレーナー。6歳と4歳の子どもを育てる二児のママです。

事務局の齋藤奈月さんは、コワーキングスペース兼地域の居場所「マキエキマエ」を運営。小学3年生の娘さんと年長の息子さんを育てる二児のママです。


滝沢さんが「夜泣きカフェ」の実現を模索している中でマキエキマエを訪れ、初対面で齋藤さんに「夜にこの場所を使えないか」相談したことがきっかけでした。


齋藤さんは滝沢さんの話に強く共感し、そのバイタリティに一目惚れ。ちょうどそのタイミングで市の補助金公募があり、見事採択されました。お二人の想いや企画が明確だったこともあり、立ち上げ準備は順調に進み、2025年6月にはオープン。二人の出会いからわずか9ヶ月という驚きのスピードでした。


ヨナキリウムの存在意義


ヨナキリウムの活動は、テレビやSNSで大きな話題になりました。今ではヨナキリウムをきっかけに全国各地で同じような動きが生まれています。


「毎週水曜日にヨナキリウムが開いていると思うだけで、日々頑張れています」

そう、これがヨナキリウムの大きな意義です。「お守り」のような存在。実際には行けなくても、「いざという時に行ける場所がある」と思えるだけで、心が軽くなる。


齋藤さんも滝沢さんも、子育て支援の専門職ではありません。でも、2人には「人と繋がる」ことが得意という強みがあります。

「ママさんが助けてって言ってヨナキリウムに来た時、まずは話を聞く。そして、どんなところが紹介できるかを考えるんです」

例えば、緊急のサービス、評判の良いお医者さん、助産師さん…。ヨナキリウムは専門的なケアを提供する場所ではありませんが、必要な情報や専門家を紹介する「ハブ」のような役割は担える。


「心の休まる場所として、駆け込める場所の需要を満たしたい」


そう、ヨナキリウムは「夜の支援センター」であり、「メンタルケア」の場所なんです。


継続の課題と今後の展望


現在は市の補助金で運営していますが、2028年以降は自力運営が必要です。

「ママに経済的な負担をかけたくない」という滝沢さんの思いと、スタッフへの適切な賃金、夜間運営の体力的負担。これらのバランスを取りながら、持続可能な形を模索しています。


まずは、地域にしっかりと根ざすこと。そして将来的には、新潟市8区それぞれに1か所ずつ設置し、曜日をずらして「毎日、市内のどこかでヨナキリウムが開いている」仕組みをつくりたいと考えています。


「ヨナキリウムが開いている」という事実そのものが安心になる。そんな形で、子育てにおける安心要素の一つとして社会に溶け込んでいくことを目指しています。


育児中のあなたへ、2人からのメッセージ

最後に、育児中のママたちへのメッセージをいただきました。


滝沢さんより

子育ては、決して一人でするものでも、夫婦二人だけで抱え込むものでもないと思っています。

子どもを育てるということは、本当に大きな仕事で、例えるなら一つの大きなプロジェクトのようなもの。多くの人の手や知恵を借りながら、大変なときには「助けて」と言えて、周りも自然と手を差し伸べられる。そんな形で、これからの未来の宝である子どもたちを育てていくことは、いつの時代の社会にとっても必要なことだと考えています。


子どもたちが、抑圧されることなく、のびのびと幸せに育ってほしい。そのためには、育てる側である私たち大人も、心が荒みすぎない程度の「余裕」を持てることが大切だと感じています。何かあったときに、「ここに行ってもいい」「頼ってもいい」と、そう思える場所や空気感があること。ヨナキリウムは、その一端を担える存在でありたいと思っています。


一人で抱え込まず、何かあったら、いつでも頼ってほしいです。子育てを支え合い、未来の宝である子どもたちを、社会全体で育てていけたらと願っています。


齋藤さんより

今あなたが感じている不安やしんどさは、決して特別なものではなく、私も経験しましたし、誰もが通る当たり前の感情だと思っています。

そして、ここまで毎日向き合ってきたあなたは、もう十分すぎるほど頑張っています。


育児は、本来ひとりだけで抱え込むものではありません。「ちょっと助けてほしい」と誰かに声をかけてもいいし、頼ってもいいんです。


ヨナキリウムは、ママの気持ちにそっと寄り添い、少しでも肩の力を抜いてもらえる空間でありたいと思っています。水曜日の夜、無理をしなくていい場所として、ヨナキリウムでお待ちしています。



夜中、赤ちゃんが泣き止まなくて辛い時。誰にも頼れなくて、1人で抱え込んでいる時。


「水曜日の夜、新潟に駆け込める場所があるんだ」


そう思い出してもらえたら。実際に行けなくても、「そういう場所がある」と知っているだけで、少し心が軽くなるかもしれません。


あなたは1人じゃない。今日も、全国のどこかで、同じように赤ちゃんのお世話を頑張っているママがいます。そして、あなたを支えたいと思っている人たちがいます。




▼夜ナキリウムの最新情報はこちら
Instagram: @yonakarium

【基本情報】
営業日: 毎週水曜日 22:00〜翌朝6:00
場所: 新潟市西蒲区「マキエキマエ」2階
料金: 大人:500円、赤ちゃん・お子さま:無料(ドリンクバー+200円)
※予約・登録不要。直接お越しください


本記事は、2026/01/26 掲載時点の情報となります。内容について気になることがあれば、編集部までお問合せください。