「このアプリがなくなったら、世界が終わった感じ」


福岡県在住の大藪さんは、育児記録アプリ「授乳ノート」について、そう言い切ります。

長男・こうちゃんが生まれた2019年11月から使い始めて、もう6年。今も毎日、このアプリを開いています。1日に20回以上。スマホの中で1番開く回数が多いアプリです。


そして驚くべきは、このアプリを17名で共有していること。

訪問看護師、祖父母、ショートステイの関係者――。みんながリアルタイムで息子さんの記録を見守っています。


そんな大藪さんに「授乳ノート」の使い方について聞いてみました!


「授乳ノート」との歩み


大藪さんが授乳ノートを使い始めたのは、長男・こうちゃんの出産直後。産院で看護師さんから授乳時間を何度も聞かれることにストレスを感じ、「何かいいアプリないかな」と病室で検索して見つけたのがきっかけでした。


「授乳ボタンを押したら、勝手にタイマーが動いて、時間も記録してくれる。あ、これ楽だって思ったんです。」


「この記録があったから、病気に気づけたかも」

こうちゃんに初めて病気が見つかったのは、生後11ヶ月の時。

それまでの育児記録を、大藪さんは病院の先生に見せました。排泄、授乳、体温、睡眠――。毎日コツコツつけてきた記録です。


「先生がアプリの記録をじっと見て、『ちょっとこれ借りていい?』って持っていかれたんです。それで何人かの先生が集まって、記録を見ながら話し合ってて」


そして先生は言いました。

「これ(育児記録)をつけてたから、病気に気づけたかもしれないね」


大藪さんの記録は、診断のための貴重な資料になったのです。

こうちゃんの病気は、日本でも数えるほどしか患者がいない希少難病。治療法は確立されておらず、特効薬もありません。今も月に1回、片道1時間半かけて病院に通い、点滴治療を続けています。


「今でもこの記録は貴重な資料。先生に通院のたびに見せています」


何気なくつけていた授乳記録が、まさか息子の命を守る記録になるなんて。


1日30回の育児記録!記録が日常のペースを作る


大藪さんは今も、排泄、食事、体温、そして水分の出し入れ(インアウト)を記録しています。

こうちゃんは病状管理で、1日にどれだけ水分を摂取して(イン)、どれだけ排泄したか(アウト)を管理する必要があります。その合計を、大藪さんは毎晩、自由記入欄に書き込みます。


「1日に大体30回くらい、記録をしています。お世話アイコンの中にないものは、自由記入で記録して」


年間のお世話記録は、2025年だけで9,884回。もうすぐ1万回に届くところです。


「記録がないと、自分のペースが崩れちゃうんです。『まだ大丈夫』『そろそろだ』って、記録を見ながら自分のタイミングを測ってる感じ」


記録は、大藪さんにとって息子の状態を把握するだけでなく、自分の育児のペースを作るものにもなっていました。


気づけば17名。みんなで見守る安心感

現在、大藪さんがアプリを共有して使っているのは17名!

月曜から金曜まで毎日来てくれる訪問看護師さん、月に一度利用するショートステイ(短期入所)のスタッフさん、そして祖父母たち。


最初は訪問看護師さんから「インアウトの記録ってどうしてる?そのアプリって共有できない?」と提案されたことがきっかけでした。

今では訪問以外の時間も、しっかりと記録を見てもらっています。


「ショートステイ中も、スタッフの方がアプリで記録をつけてくれるんです。私も離れていてもリアルタイムで見られるから、『ちょっとここでこうして』って指示も出せるから安心なんです」


そして祖父母。離れて暮らしていますが、アプリを見て「あ、こうちゃん起きてる」「ご飯食べたっちゃね」と、リアルタイムで孫の様子を見守っています。


祖父母に共有するようになったのは、大藪さん自身が説明するのが面倒になったから。


「例えばちょっと買い物行ってくるね、って1時間外出する時も、『何時におむつ替えて、何時に水分あげて』っていちいち言うのがめんどくさくなっちゃって。だったらアプリ見てって言った方が楽だなって」


祖父母は今、アプリを見て「まだ水分あげなくて大丈夫ね」「そろそろかな」と、自分たちで判断してくれます。


大藪さんは言います。


「このアプリは、もう私にとって必要不可欠。これがもう終了しますって言われた日には、世が終わった感じです」


それほどまでに、授乳ノートは大藪さんの生活に溶け込んでいます。


こうちゃんをバスで送り出した後、大藪さんには5〜6時間の自由時間があります。その間に仕事、買い物、銀行周りなど、やるべきことをギュッと詰め込みます。

そして帰宅後は、また息子に全集中。


そんな忙しい毎日の中で、アプリは大藪さんの右腕になっています。



医療的ケア児だけじゃなく、すべてのママに知ってほしい


大藪さんは今、妊娠中の友人や知人に、授乳ノートを勧めています。


「医療的ケアが必要な子だけじゃなくて、普通の子どもさんでも風邪を引いたり、おなか壊したりするじゃないですか」


子どもが熱を出して病院に行くと、先生は必ず聞きます。

「解熱剤、何時に入れた?」


自信を持って答えられるママはいいけれど、自信がない人は、アプリで記録しておけば安心。ボタンを押せば時間も自動で記録されるから、「何時」と正確に答えられます。


「息子の病気は、生まれてから少しずつ分かってきたんです。でも記録があったから、先生が気づいてくれた」


いつ何があるか、誰にも分からない。


「これから出産する人たちに、本当に活用してほしい。子どものちょっとした変化に気づけるかもしれないから」


さいごに


大藪さんには、こうちゃんとの夢があります。


「将来、東京スカイツリーに一緒に登ること。病院の先生には、すぐには許可は出せないけど、いずれはいいよって言われてます」


その日まで、大藪さんは今日も記録を続けます。

こうちゃんの毎日を、17人と見守りながら。


「周りで誰もこのアプリを知らないんです。もったいないなって。妊娠中の人にこそ、ダウンロードしといた方がいいよって伝えてます。こんないいアプリを、もっとたくさんのママに知ってほしい」



大藪さんの言葉には、同じように育児に悩むママたちへの、優しいエールが込められていました。


授乳ノート:無料の育児記録アプリ。授乳、睡眠、排泄、体温などを簡単に記録でき、家族と共有できる機能が特徴。

本記事は、実際のユーザーインタビューをもとに作成しています。