「ちゃんとやらなきゃ」「私、できてない…」

そんな気持ちで胸が苦しくなること、ありませんか?

助産師で公認心理師のけいこさん(josanshi_keiko)は、5人の子育て経験を持ちながら、現在は神奈川県平塚市で出張助産師サロン「BabyLihi」を運営しています。


多くのママたちと向き合う中で、けいこさんが一番感じているのは「自分を責めてしまうママの多さ」でした。


なぜママは自分を責めてしまうの?

「本当に多いんです。『ちゃんとやらなきゃ』『できていない』って、自分を責める言葉を聞かない日はありません」

けいこさんがママたちから受ける相談で圧倒的に多いのが、イライラや「うまくできない」という悩み。でも、よく話を聞いてみると、その根っこには「自分でやらなきゃいけない」という思い込みがあることが多いのだそう。

特に現代は情報が溢れています。SNSで他のママの投稿を見て「あの人はちゃんとできているのに、私は…」と比べてしまい、できていない感覚がさらに強くなってしまうママも少なくありません。


実は心のケアが一番大切だった

助産師として約20年のキャリアを持つけいこさんが、なぜ3年前に公認心理師の資格を取得したのでしょうか。

「自分の妊娠・出産・育児経験や、仕事を通じて気づいたんです。女性の心の状態って、本当にとても大切で、育児もそれに尽きるということに」

けいこさん自身も、5人の子育て(うち3人はステップファミリー)で大変な時期を経験しました。特に男の子の育児は、女の子しか育てたことがなかったけいこさんには全く違う世界に感じることもあったといいます。

「でも、主人と話し合ったり、親戚にサポートしてもらったり。一人では絶対にできませんでした」

その経験から、けいこさんは母親の心の状態が、子どもの人生に大きな影響を与えるということを確信したのです。


心の土台は0歳から始まっている

けいこさんが特に大切にしているのが「心の土台作り」です。

心の土台って、実は0歳から3、4歳の幼少期に作られるんです。子ども自身が気づかないうちに、もう形成されている。だからママの心の状態がとても重要なんです」

ママの土台が不安定だと、子どもの心も不安定になってしまう。逆に言えば、ママが安心できる状態にいることで、子どもの一生の心の土台をしっかりと作ってあげることができるのです。


一人で抱え込まないで

けいこさんがママたちに一番伝えたいのは「一人で頑張らないで」ということ。

「つらいときに抱え込まないでほしい。パートナーに頼ったり、産後ケアなどの専門職を頼ったりしてほしいんです」

実際にけいこさんの出張サポートを受けたママからは「ちょっとコツを教えてもらっただけで、すごく楽になった」「ずっと泣いていた赤ちゃんが落ち着いた」という声が多く寄せられています。

身近な人に相談しづらい理由もあります。友人や家族は、自分の経験だけでアドバイスをすることが多く、産後は心理的にナーバスになっているからこそ、専門職の正しい知識とサポートが必要なのです。

もし今、一人で頑張りすぎて苦しいなら。「ちゃんとやらなきゃ」で胸が苦しいなら。それは、あなたが悪いのではありません。そして、その気持ちから抜け出すことはできます。


楽しい育児のために

ママたちには、楽しく育児をしてほしいんです

けいこさんが目指すのは、ママが心の土台をしっかり作り、安心できる状態で育児ができること。

「子どもがそばにいて、自分の手元で大きくなっていく時間って、本当に尊い時間じゃないですか。でも、頑張りすぎて自分を責めてばかりいると、気づいたら子どもも大きくなってしまっている」

けいこさん自身がそうだったからこそ、今のママたちには「その尊い時間を、安心して楽しんでもらいたい」と心から願っています。

専門職のサポートを受けながら、まずはあなた自身の心の土台を整えてみませんか。あなたが安心できることが、お子さんにとっても一番の贈り物になりますよ。


●教えてくれた専門家 けいこさんjosanshi_keiko

5人の子を持つ母。助産師として約20年の経験を積み、自身の妊娠・出産・育児体験を通じて母親の心の状態の重要性を実感。3年前に公認心理師の資格を取得し、現在は神奈川県平塚市で出張助産師サロン「BabyLihi」を運営。Instagramでは「ママの心の土台作り」を中心とした情報発信を行い、産後ケアや心理面のサポートを通じて楽しい育児を応援している。